米軍が進める将来戦構想「第3オフセット」については、前回(2018年4月16日「米中が鎬を削るドローン『スウォーム戦略』」)で簡単に触れた。先端技術力を活かして新たな戦闘の様態を生み出し、中露の在来型軍事力を「オフセット(相殺)」しようとする戦略である。 問題は、こうした戦略の「標的」であるロシアだ。現在のロシアは軍事大国としての存在感を示しているものの、それは特殊部隊や民兵を組み合わせたローテクの「ハイブリッド戦争」や、古典的な核抑止、そして米国のハイテク戦力を妨害する能力によるところが大きい。今後、米軍の「第3オフセット」が本格化していけば、ロシアがこれに完全に追随することは困難であろう。
![米「第3オフセット」に対抗するロシア「将来戦構想」:小泉悠 | サイバーウォー・クレムリン | 新潮社 Foresight(フォーサイト) | 会員制国際情報サイト](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/05ce5a90c41101496ae50ab2e8681829aa02180b/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Ffsight.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F0%2F1%2F1200w%2Fimg_015fcbfe24e3a3a16fad2227e41e2583138435.jpg)