先日のエントリーへのコメントの中で、ウォールストリートへの批判的ご意見として、投資銀行が行っていた自己取引について、以下のような趣旨のご意見を頂きました。 本来仲介役であるべき投資銀行は、人のお金(レバレッジ)を使って自己の投機的取引を行い、失敗して破綻した際には経済全体を混乱に陥れた。そんな金融機関に働く人が「優秀」であるはずはなく、投資運用の成功者は、サイコロで連続して1の目を出し続ける人が確率的にいるのと同様に、運が良いだけである。 このようなウォールストリートで働く人への能力批判は、高額給与批判とも合わさって、アメリカでも良く聞かれるものなので、個人的見解を少々書いてみたいと思います。 まず最初に、投資運用の成功者を「確率的に単に運良く生き残った人」だとする学者がこちらにもいます。私は学者でも何でもありませんが、その議論には賛同できません。 その理由は、サイコロであれば結果は完全に