欧州連合(EU)と日本、ロシア、米国、韓国、中国、インドが共同で開発を進める国際熱核融合実験炉「ITER(イーター)」の組み立て作業がフランス南部サンポールレデュランスで始まった。核融合炉は「地上につくる太陽」と形容され、無尽蔵のエネルギーを生み出す可能性がある。だが技術的な課題が多く、実現までのハードルは高い。人類は「夢の炉」を手にすることができるのか。 「今日は歴史的な瞬間。技術革新の積み重ねで、この瞬間を迎えられることを感謝したい」 現地で7月28日に開かれた組み立て開始を祝う式典で、運営主体であるITER機構のベルナール・ビゴ機構長は感慨深げに語った。式典の様子はネットで中継され、日本の研究者らも東京都内で見守った。 核融合は太陽内部で起きている現象で、原子核同士が衝突、融合し、巨大なエネルギーを生み出す。核融合炉では重水素とトリチウムを燃料にするが、いずれも地上で豊富に得られるた