原発事故の報道を眺めていると、問題の解決よりも混乱を招くような批判がある。在野のジャーナリストはともかく、大手マスコミのほうにも目立っているのが残念である。 (1)「情報を隠している」という批判 「情報を隠している」というなら、隠しているという根拠をしっかりと提示して、そしてそれにかわる「正しい情報」を提供してほしい。大手メディアには原発問題を専門に報道してきた人もいるはずだが、どうして情報を「おねだり」するばかりなのだろうか。記者会見で、保安員や東電に答えにくい質問をぶつけて困惑させても、専門家の信頼を貶めて不安を増幅させ、デマや風評を広めることに貢献するだけだろう(もちろんマスメディアはそのことで得をする業界ではある)。自分が今回失望したのは東電ではなく、プルトニウムを即時に測定する機器がそもそも世の中に存在しないという基本的事実すら調べようともせず、「情報を隠している」とわめき散らす