ビットコインは通貨のインターネットなのか、という議論が以前から続いている。 その議論を一歩進め、もしそうだとすると、社会のプラットフォームとしての可能性は、どう発展させていけばいいのか。 そんなことを考えさせる動きが相次いでいる。 預金引き出し制限など、財政危機で混乱の続くギリシャでは、にわかにビットコインへの注目が集まっているようだ。 ニューヨーク証券取引所はビットコイン価格の指標配信を開始した。 新興企業向け米株式市場「ナスダック」も、取引記録の管理台帳にビットコインの基盤技術「ブロックチェーン」を使う実験を行うという。 さらに、取引が禁止されているはずの中国の人民元が、ビットコイン取引の８割を占め、株価急落を受けて、レートは上昇を続けている。 ビットコインなどの仮想通貨の研究プロジェクトを立ち上げたマサチューセッツ工科大学（ＭＩＴ）メディアラボ所長の伊藤穣一さんは、６日に東京・虎ノ門

連載：ハッカーの系譜②ケビン・ミトニック (2/6) 社会から拒絶され続けた果てに 1980年5月末の土曜日深夜、17歳のケビンとデペインは、狙っていたパシフィックベル社の社屋に向かっていた。そして、パシフィックベル社の社員を装って、警備員に話しかけた。 「まいったよ、月曜の朝提出する書類があって、徹夜でもしなければ間に合いそうもないんだよ」 警備員は同情した表情で日誌を差し出した。そこにケビンたちは、適当な部署と名前を書きこんだだけで、警備員はドアを開けてくれた。1時間後、マニュアルやアクセスコードのリストなどを山ほど抱えたケビンは警備員に「助かったよ。これから自宅で徹夜だよ」と挨拶した。再び警備員は同情の表情を見せた。ケビンたちは堂々と社屋に入り、堂々と逃亡した。 その1年近く前、さまざまな機器をリースする会社USリーシング社のコンピューターがハッキングされたことがある。ハッカーはro

連載：ハッカーの系譜②ケビン・ミトニック (1/6) 史上最悪の「ダークサイド・ハッカー」の誕生 今から20年前、1995年の『ニューヨーク・タイムズ』の紙面には、全米中のコンピューターから数百万ドルから数億ドルに相当する企業情報と2万件以上のクレジットカード情報を盗み、きわめて重大な社会的脅威になっている存在として、ケビン・ミトニックの名が記されている。さらにケビンは、NORAD（北米防空総司令部）のコンピューターもハッキングし、米国を核戦争にまきこむことも可能な技術を持ち、イスラエルの諜報機関モサドとも繋がりがあり、ハッキングで得た国家機密を提供している可能性のあるハッカーだとその記事は伝えている。 また、ケビンはハッキング技術も超一流だが、それに加えてソーシャルハッキング技術の達人であるとも報道されている。ソーシャルハッキングとは、コンピューター技術を使ってハッキングするのではなく、

2015年7月13日、セブン銀行やGMOの子会社であるFXプライムbyGMO*1、SMBC日興証券*2がDoS攻撃を受け、さらに脅迫もされていたと報じられました。ここではそのDoS攻撃に関する情報をまとめます。 DoS攻撃を受けたと報じられていた組織 報道によれば次の組織がDoS攻撃を受けていた模様。報道によると国内ではこれら合わせておよそ10社が被害を受けていたとの報道がある。*3 組織名 DoS攻撃が行われた時期 セブン銀行 2015年6月25日 8時59分〜10時45分頃(1時間45分ほど) FXプライムbyGMO 2015年5月22日 11時9分〜12時13分（1時間ほど） SMBC日興証券 不明 Akamaiによれば、2015年5月頃に同様のDoS攻撃、及び脅迫が行われていたとのこと。*4 中国地方の約10の金融機関：1時間程度 ユーロポールによるDD4BCの摘発 2016年1月

年金情報漏洩より遥かに深刻？　連邦職員情報「1800万件」流出に揺れる米国　（前編） 年金情報漏洩より遥かに深刻？　連邦職員情報「1800万件」流出に揺れる米国　（中編） OPMのハッキング事件が判明してから数週間にわたり、その被害が「当初に想像していたより、かなり悪い状況である」とする報道が続いたことを前回お伝えした。今回は、その被害状況と共に報道され、共に悲惨さを増していった「OPMのセキュリティの杜撰さ」についてお伝えしたい。 個人情報は暗号化されていなかった 今回の事件で大きな問題となっているのが「盗まれたデータの多くが暗号化されていなかった」という点である。いまや一般企業の情報漏洩事件ですら、流出した顧客の情報が暗号化されていなければ、「セキュリティの意識が甘すぎる」と批難されるご時世だ。米国の機密情報を扱う政府機関が、職員の個人情報を適切に暗号化していなかったという話は、にわか

韓民求（ハン・ミング）国防部長官（左）が１３日、国会補正予算案審査のための国防委員会全体会議に出席し、カン・ビョンジュ電力資源管理室長と答弁の準備をしている。韓長官は軍機関の盗聴・傍受機器購入疑惑を尋ねる議員の質問に「国防部隷下部隊はこうしたプログラムを購入したり使用したりしたことはない」と述べた。 「国家情報院（国情院）盗聴・傍受疑惑」がまた政治争点化している。国情院が「５１６３部隊」という偽装名称で、コンピューターのほかスマートフォン・カカオトークまで盗聴・傍受できるハッキングプログラムを購入したという疑惑が浮上したからだ。 発端は秘密文書暴露専門ウェブサイト「ウィキリークス」。世界各国にインターネット監視プログラムを販売してきたイタリアの会社「ハッキングチーム」の内部秘密資料がハッキングで流出した後、ウィキリークスによって公開された。流出した秘密資料には監視プログラムを購入した数十の

スマートフォン（スマホ）の機能向上から自動運転車の開発まで、重要性が増している地図サービスを巡っては、ライバルも攻勢を強めている。6月中旬。スマホ配車大手の米ウーバーテクノロジーズが明らかにした人事が注目を集めた。「グーグルアース」の生みの親の一人で、最近までグーグルの地図関連事業の責任者だったブライアン・マクレンドン氏を引き抜いたのだ。急成長するウーバーだが、地図情報はグーグルに依存する。