TPP交渉が、大きな節目を迎えた。 2010年3月に始まった太平洋にまたがる8億人の自由貿易経済圏を目指したTPP拡大交渉は、13年7月から日本も参加し、難産に難産を重ねた結果、10月5日に大筋で合意に達した。 これをもって5年半に及んだ交渉は終結し、今後は参加12か国の間で細部を詰めた上で、各国が国内的な批准プロセスを行い、合意内容に沿った形で国内法を整備していくことになる。 TPP交渉の責任者を務めた甘利明TPP担当相は、10月20日の日本記者クラブの講演の中で、日本がリーダーシップを発揮して大筋合意に漕ぎ着けることができたと自画自賛した上で、交渉結果は日本にとって最善のものとなったとの認識を示している。 しかし、TPPが対象とする31分野の中でも、最も重要といっても過言ではない知的財産分野、とりわけ著作権の分野では、どうも話はそれほど甘くはなさそうだ。いや、甘くないどころか、著作権分