顧客からひどい暴言や暴行、不当な要求などを受ける「カスタマーハラスメント(カスハラ)」。サービス業だけではなく、自治体職員へのカスハラが深刻になっている。全日本自治団体労働組合(自治労)が2020年に行った調査では約半数の職員が暴言や説教、長時間のクレームを受けている実態が明らかになった。 訴訟に発展するケースや職員が休職や退職に追い込まれるケースもある。自治労の森本正宏総合労働局長は「『税金を払っているから何を言ってもいい』という考えが、自治体カスハラの根底にある」と指摘する。 セクハラやパワハラは法律で事業主に防止措置が義務付けられているが、カスハラは法整備が進んでいないことも課題だ。自治労はカスハラの基準などを明示したマニュアル作成に乗り出している。森本局長に自治体カスハラの実態や課題を聞いた。(ライター・国分瑠衣子) 自治労の森本正宏総合労働局長 ●虐待措置に逆恨み「家をつきとめて