2018年8月21日。毎年、大阪のライブハウスで開催される円広志さんの誕生日パーティーは、音楽仲間が次々と歌を披露してから、最後に御大自らステージへ上がる。その夜、65歳の誕生日を迎えた円さんがギターを弾きながら歌ったのは、CCRの『雨を見たかい』だった。「晴れた日に降ってくる雨をみたことがあるかい?」と問い掛ける70年代を代表するロックナンバーは、ベトナム戦争で使われたナパーム弾を歌った反戦歌と解釈されている。しかし、客席にいた私は、英語の歌詞を字義どおり解釈し、円さんの人生を重ね合わせた。 円さんの晴れ渡る人生に突然雨が降り出したのは、1999年のことだった。「とんで とんで」のリフレインでお馴染み『夢想花』の大ヒットから20年。円さんは、歌手活動の他にもテレビ・ラジオのレギュラー番組を6本抱えて、多忙を極めていた。そんな円さんに不調の兆しがみえたのは、ある早朝番組の本番収録中のことだ
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