元上司は昔からキャバクラが大好きだった。あの忙しい業務の中で、どこにそんな余裕があったのか分からないが、時間を見つけてはお気に入りのキャバ嬢に時間とお金を投資し続けているのだ。 そんな上司に一度、何故そんなにキャバクラへ通うのか聞いてみたことがある。 曰く日頃の疲れや鬱憤を「癒してもらっている」とのことだった。そうキラキラした瞳で語る上司に偽りの心は感じなかった。 キャバクラに通う人の目的は千差万別だ。ただ愚痴を吐きに行っている人、気に入ったキャバ嬢を口説こうとしている人、また元上司のように癒しを求めている人もいるかもしれない。 私はお酒も弱い上に、愚痴を言うタイプでもないのでキャバクラにいくことは付き合い以外ないのだが 「キャバ嬢は癒しを提供している」旨を聞いた時、目から鱗のようなものが大量に落ちた感覚を覚えた。 毎晩のように”誰かを癒している“これは途轍もないことだからだ。 この世に毎