【ワシントン=佐々木類】中国が高軌道上で、米国の衛星を破壊する能力を向上させているとして、米当局が警戒を強めている。ロイター通信が14日、昨年末までに米当局がまとめた極秘文書をもとに伝えた。中国が近日中に軍事衛星破壊実験を行う可能性が高いと指摘する専門家もいる。実験が高軌道上で行われて成功すれば初めてで、高軌道を周回する軍事衛星に情報収集を依存する米国にとって大きな脅威となる。 現在、米国はGPS(衛星利用測位システム)用の衛星を上空1万1千マイル(約1万7700キロメートル)で運用し、軍事用の通信衛星と早期警戒衛星はその2倍に当たる2万2千マイルの高軌道で運用している。 実験は、弾道ミサイル発射探知用の米早期警戒衛星が周回する高軌道上の衛星破壊が目的とされる。 中国は宇宙空間における軍事活動の拡大を狙い、2007年と10年に低軌道の気象衛星破壊実験に成功している。07年の実験の際、破片な