今週世界のマスコミは、広東の週刊誌「南方周末」の新年社説が、同省共産党委員会宣伝部からの圧力で「すり替え」られた事件を大々的に報じた。不思議なことに記事の多くは、同事件が中国における「報道の自由」を求める動きの一環であるかのように捉えている。 中には「中国のジャーナリストは検閲との戦いに勝てるか」と題する(およそ的外れな)記事まであった。筆者の見立てはちょっと違う。こんなものはしょせん、共産党「党内派閥」同士の軋轢に過ぎないと思っているからだ。 というわけで、例によって、今回も筆者による独断と偏見を御紹介しよう。(文中敬称略) 何が起きたのか ●中国広東省の週刊誌「南方周末」が1月3日号で政治の民主化などを求める社説を掲載しようとしたところ、地元広東省共産党委員会宣伝部の指示で記事が大幅に書き換えられた。さらに、これに反発した同誌記者らがストライキを始めたため、騒ぎは一層拡大した。 ●これ