ソフトパワー 一時は発行部数50億を超え、世界に配布された毛沢東語録 Claro Cortes IV- REUTERS かつての陸と海のシルクロード沿いに「一帯一路」という名の巨大な経済圏を構築し、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の主導権を掌握することで、自国中心の国際秩序を新たにつくろうとする中国。世界はその戦略にどう対処すべきか。現代史を振り返ることで、中国の本質を分析してみよう。 事あるごとに他国への干渉を図ってきた前科があるので、中国は警戒すべき相手とみられている。国力がまだ弱く、内部で激しい政治闘争、文化大革命が繰り広げられていた66年秋から翌年の夏にかけて、中国は『毛沢東語録』をソフトパワーとして世界を席巻しようとたくらんだ。毛の著作を抜粋した語録は当時24カ国語に翻訳され117カ国に配布。総発行部数は50億に達した。 当時の世界人口は30億余りだったので、平均して1人1.5
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