中国を追うように猛スピードで経済成長を続けるインド。このほど首都ニューデリー、南部バンガロール、西部ムンバイの各都市を取材する機会を得た。約1週間というかけ足の日程だったが、人口12億のパワーと混沌を目の当たりにして、いまだに目まいが治まらない。チャイナ・ウォッチャーとして、中国との比較も交えながら「インドの今」を報告したい。 中国よりも「伸びしろ」大きいインド ニューデリーの空気はどんよりとかすみ、排気ガスや石炭を燃やすにおいがたちこめていた。インドの大都市はどこも交通渋滞が慢性化。道路や公共交通システムが整備されないうちに高成長で自動車が急増したことが見て取れた。 バンガロールにあるトヨタ子会社の社長、中川宏氏はインド市場の可能性について「昔の日本のようだ。子供のころ、父親が掃除機を買って帰り、母親が大喜びしていたのを思い出す。今のインドには、そうした勢いがあり、みんなが将来に明るい希