――著者は韓国、中国の日本大使館に長く勤務し、経済界にも知人が多い。世界では、中国、韓国企業のプレゼンスが増し、日本をしのいでいるとの話をよく聞く。 中国、韓国のビジネスには、それぞれ弱点も少なくない。だが、日本企業が「足で稼ぐ営業と緻密な準備は負けない」「人材が優秀。ネットワークも強い」と今も思っているなら、それは実態と違い、認識を改めたほうがいい。ドバイにいるとよく見える。英米独仏や中韓より、日本は弱い場面が多い。 「日本企業は一度も来たことがない」 ――具体的には? UAEの長官から「韓国も米国もフランスも、企業幹部はここ(長官室)によく来て話をし、ランチもするが、日本企業は一度も来ない。彼らは営業をしていない」と言われたことがある。日本の大学院で学んだドバイのビジネスマンは「日本はやり方が下手でもったいない」とこぼす。「日本人は勘違いしている。商品を持ってきて『売ってくれ』ではだめ