闕字(けつじ)とは、文書中に天子や貴人に関する語が現れたときに、これに敬意を表すために、該当する用語の前に1字または2字分の空白を設けることである[1]。 中国における闕字[編集] 中国の古典籍では対象への敬意を表す場合、直前を空ける闕字、直前で改行する平出、直前で改行して文字を嵩上げする擡頭(たいとう)の三種がある[2]。 敬意表現の程度としては平出や擡頭よりも低い[2]。闕字は尊敬の度合いにより、1文字から5文字程度の空きをつくるが、書き手との相対的な関係で定まるもので絶対的な基準があるわけではない[2]。闕字や平出は唐令に規定された敬意表現であるのに対し、擡頭は元朝以降に敬意表現として明確になった[2]。 闕画(けっかく)という慣行もあり、貴人の名を記す際に敬意を表して字画の一部を省略するものである[1]。闕は本来は宮城の門のことであり宮廷を意味する漢字であるが、闕字や闕画の場合は欠