2010年11月24日のブックマーク (1件)

  • 北朝鮮 飢餓の政治経済学

    北朝鮮の経済がどんな状況にあるのか。特に90年代における数十万人から数百万人の人々が死亡した大飢饉とその現在までの波及を、独自の視点からまとめた重厚な著作である。大学の講義の基礎資料として購入していたが、昨日の北朝鮮からの砲撃事件を契機にこのをここで取り上げておきたい。 書では北朝鮮の飢饉は、十分な糧供給があり、なおかつ都市部の家計でも、料の分配制度(公的な分配制度と市場を通じた経路)が機能しないとき、つまり書の専門用語では「料確保の権利」entitlementが毀損するときに生じるとしている。 北朝鮮経済はGDPの6割ほどを公的部門がしめ、さらにその公的部門の中で軍事部門のしめるウェイトが非常に大きい。と同時に書では朝鮮戦争後の急速な重化学工業路線をうけて都市化が急速にすすんでいると指摘している。そして北朝鮮の飢饉の特徴は農村だけでなく都市部でも飢饉の被害が出たことを指摘し

    北朝鮮 飢餓の政治経済学