ブックマーク / tanakahidetomi.hatenablog.com (7)

  • 「日本の核武装」の経済学メモ書き

    最近は当にネットも殺伐としているけど、なんでもテレビで核武装のアンケートの話もあったとか? 正直、やれやれ、というのが感想だ。 ただ前から興味はあったので一度、この問題を経済学の視点から考えてみたい。まあ、断定的な結論よりもとりあえずいろんな文献読んでのメモ書き、その第一弾。 最初は、まず服部彰氏のこの論説「核兵器開発の経済的帰結」 http://www.asiawide.or.jp/eps/symposium/s96/3-7.htm 服部氏の論説は96年のものであり、現在とは若干、国際政治情勢が異なるとはいえ、経済学的な部分はほぼいまでも有効な議論だろう。 論説の中核は後半部分だ。なぜ核兵器を保有するのかのインセンティブ。 「経済学の需要と供給という概念を使えばこの問題を解決できる。端的にいって、冷戦終結後の世界においては、需要面で、核を保有する政治的あるいは経済的価値が上昇し、供給面

    「日本の核武装」の経済学メモ書き
  • 北朝鮮 飢餓の政治経済学

    北朝鮮の経済がどんな状況にあるのか。特に90年代における数十万人から数百万人の人々が死亡した大飢饉とその現在までの波及を、独自の視点からまとめた重厚な著作である。大学の講義の基礎資料として購入していたが、昨日の北朝鮮からの砲撃事件を契機にこのをここで取り上げておきたい。 書では北朝鮮の飢饉は、十分な糧供給があり、なおかつ都市部の家計でも、料の分配制度(公的な分配制度と市場を通じた経路)が機能しないとき、つまり書の専門用語では「料確保の権利」entitlementが毀損するときに生じるとしている。 北朝鮮経済はGDPの6割ほどを公的部門がしめ、さらにその公的部門の中で軍事部門のしめるウェイトが非常に大きい。と同時に書では朝鮮戦争後の急速な重化学工業路線をうけて都市化が急速にすすんでいると指摘している。そして北朝鮮の飢饉の特徴は農村だけでなく都市部でも飢饉の被害が出たことを指摘し

    北朝鮮 飢餓の政治経済学
  • すべての人に贈るだまされないための経済入門ーベストブックガイド100+1

    勝間さん、宮崎さん、飯田さんの共著刊行を記念して以下にすべての人に贈る、一部の政治家・官僚・マスコミ・評論家や一部の経済学者、そしてほとんどのアルファブロガーやネットで自分の利害でしか書けないのになぜか経済を語る株式・資産運用者たちの放言などなどにだまされないためのブックリスト。 これ以上体系的でまた啓蒙的なブックリストは作成不可能。自信をもってお薦めします。とりあえず改行したところでひとまとめのコンセプト(僕と主張が違うでも対立軸を明確にするため参考になる対論のも掲載)。 まだ一冊も読んだない人はぜひ一読を。そして経済書を読んできた人は何冊読みましたか? 勝間和代、宮崎哲弥、飯田泰之『日経済復活 一番かんたんな方法』 日経済復活 一番かんたんな方法 (光文社新書 443) 作者: 勝間和代,宮崎哲弥,飯田泰之出版社/メーカー: 光文社発売日: 2010/02/17メディア: 新書

  • 日本銀行のいいかげんなデフレ論議 - Economics Lovers Live

    銀行が12月1日の政策決定会合の内容を公表した。特に注目したいのは次の文章である。 http://www.boj.or.jp/type/release/teiki/giji/g091201.pdf 多くの委員は、わが国経済は持ち直している ものの、来年度の半ば頃までは回復ペースが緩やかなものに止まる と見込まれる中で、このところの国際金融面の動きや為替市場の不 安定な動きが企業マインド等を通じて実体経済活動に悪影響を及ぼ すリスクが加わってきているとの認識を示した。ある委員は、最近 のデフレを巡る議論の拡がりが、家計や企業のマインド面に悪影響 を及ぼし、実体経済に対する下押し圧力が強まる可能性も懸念され ると付け加えた。 こうした情勢判断を踏まえ、委員は、日経済がデフレから脱却 し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰することを支援する ため、金融政策面からの追加措置が必要であると

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  • 2009-12-01-“なにもしない日本銀行”から“少ししかしない日本銀行”へ-Economics Lovers Live

    群馬の講義を終えて、臨時の政策委員会・金融政策決定会合が開催されているのをラジオのニュースで聞きましたが、帰宅したら落ち着く間もなく連発で雑誌の取材を受けたのです。そこでも話したのですが、今回の日銀行の政策はいわゆる「時間軸効果」(低い金利にすると宣言することで経済主体の将来の短期金利予想を低める政策)を中心として、おまけで結果としての日銀のバランスシートの膨張が生じる、という理解でいいのではないかと思います。 つまり01年に日銀行が採用したゼロ金利(時間軸効果)+量的緩和(日銀当座預金残高目標)という政策とは異なり、簡単にいうとその組み合わせの前者だけを採用しただけといえます。ですので一部の報道が日銀が市場に10兆円を資金供給すると強調してますが、これは注意が必要でしょう。というのは従来の日銀行の採用した「量的緩和」ではないからです。もっと消極的な位置づけです。この消極的な位置づけ

    2009-12-01-“なにもしない日本銀行”から“少ししかしない日本銀行”へ-Economics Lovers Live
  • アクセス出演の感想ー専門知とポピュリズムの関係をめぐる雑感ー - Economics Lovers Live

    面白い番組で出演できて勉強になった。特に番組をお聞きになっている人の話や意見を直接に聞けるのはとてもいいと思う。ネットとは一味違う生身のやりとりに近いので刺激的でもある。 ところで民主党の政権への期待度が高いというのはよくわかる。もう忘れてしまったろうけれども小泉政権のときも彼の経済政策への期待度は高かった。当時、某有名大学で、『構造改革論の誤解』に後になる話を講義でしていたら「先生はなんで小泉さんを批判するのですか。いまはみんな力を合わせるべき」と講義アンケートに書かれたことを思い出した。でも、もちろん僕は自分が学んだ学問をベースにして「おかしいことはおかしい」というのをやめるつもりはない。 それにこれは権丈善一氏が『atプラス』の中で書いていたが、専門性の高い領域になると、ポピュリズム(=人気商売的政治術)が生まれる余地が大きくなる。高速道路無料化も子育て支援もそのほかの政策の多くも実

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  • 政府の財政政策を考えるキーポイント

    民主党の経済政策を考えるキーポイントになると思うので以下をコピペ。これは『構造改革論の誤解』の野口旭さんの書かれたパートである。01年のものだが今日でもほとんど通用する。01年当時と現在の経済状況の類似性を踏まえたうえで、民主党と小泉自民党の差異を考える上でも、いまも最優先で読んでほしいのひとつ。だとひそかに願っている。念のため今日でも特に参考になるところは赤字表記してみた。 ■財政政策の何が問題か さらに問題だったのは、その膨大な財政支出の多くが、国民の大多数にとってみれば無駄という以外にはない形で用いられ続けてきたことである。それは、国民の多くが日常的に実感していることである。橋政権以降、景気が少しよくなると必ず「財政再建」を求める声が強まり、それが有権者の一定の支持を集めるのは、財政支出の非効率性、不公平性に対する、この国民全体の強い苛立ちの現れとも考えられる。しかし、財政支出の

    政府の財政政策を考えるキーポイント
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