体をぐっと沈み込ませる下手投げのようなフォームだが、最後は遅れ気味に出てくる横手からボールが繰り出される。ロッテのドラフト2位、中後(なかうしろ)悠平投手(近大)は球界でも珍しい変則左腕だ。 威圧感あふれ、打者がタイミングを取りづらいフォームを固めたのは近大時代。同僚の野手は「調子が崩れる」「ぶつけられそう」と中後が練習で打撃投手を務めるのを嫌がった。まさにその特徴を生かし、大学通算19勝。西本投手コーチは「(先発か救援か)決めつけないが、即戦力候補」と期待する。 もっとも自信を持つスライダーのほかカーブ、チェンジアップ、ツーシームなど変化球は多彩。実戦では横手だけでなく、下手からも投げる変幻自在の背番号16は「特に左打者から嫌がられる投手」をプロで目指す。 課題は制球力だ。13日のバントシフトの練習では4球続けてストライクが入らず“降板”。「こんなの初めて」と悔しがるが、「切り替えるしか