江戸時代は世界に冠たる出版文化が花開いた時代でもありますが、同時に大量の発禁本を生み出し、思想弾圧が行われてもいました。 それから、ついでに工口も禁止されました。デマばっかり書いてる本も禁止されました。 そうは言うものの、なんでこれは発禁にならなかったんだよ、と思う本も多々あります。そんな発禁本本の実態に迫ったのが、今年7月に発売された一冊。 井上泰至『江戸の発禁本 欲望と抑圧の近世』(角川選書、1680円)です。 秘儀!好色本タイトルの見分けかた 目次 第一章 発禁のシステム 第二章 「行き過ぎた」好色本 第三章 検閲が生み出す表現の「自由」 第四章 戦国歴史物語の実態 第五章 学者たちの考証と歴史の捏造 第六章 取り締まられた仮想戦記 第七章 統制を乗り越えて そもそもなぜ発禁が必要なのか、を論じる第一章から、ペリー来航後に発禁となった思想書まで扱う範囲は幅広い。 もち