出雲市にある神西湖の環境改善を目指し周辺住民らが「神西湖環境回復プロジェクト」を立ち上げた。近年はヤマトシジミが極度の不漁となり、水質悪化が指摘される。湖に注ぐ河川周辺の住民同士が課題や危機意識を共有し、利害関係を超えて湖の再生に取り組む。 神西湖は汽水湖で、神戸川から分かれる十間(じっけん)川とつながり、差海川から日本海へ流れる。ただ、十間川は別の川との交差地点に水門が設けられた影響で流れが途切れ、農業用水の残り水しか神西湖に流入しなくなったことが、湖内の塩分濃度上昇や貧酸素を招く一因とされる。 湖内は4メートルあった水深がヘドロなどの堆積で1・5メートル程度と浅くなり、神西湖漁協によると、ヤマトシジミの漁獲量は20年の159トンから21年は71トンと半減以下に落ち込む危機的な状況となっている。 プロジェクトは、十間川や差海川周辺の住民代表や神西湖漁協の代表者ら17人で構成し、国土交通省