博士論文要旨論文題目:日本の軍隊慰安所制度及び朝鮮人軍隊慰安婦形成に関する研究 著者:尹 明淑 (Yun, Myoung Suk) 博士号取得年月日:2000年7月31日→審査要旨へ<本論文における問題提起と各章の要約> 本論文は、二部構成になっているが、第一部の「軍隊慰安所制度に関する考察」は、第二部の朝鮮人軍隊慰安婦の形成過程を検討するための前提論理として位置づけている。第一部の目的は、軍隊慰安所制度における日本の国家責任を明確にすることにある。日本の国家責任は、軍隊慰安婦の徴集のみならす、移送、軍隊慰安所の設置、運営・統制、戦後処理など、政策すべての過程において存在している。したがって、軍隊慰安所制度における日本の国家責任は、国民総動員法や「奴隷狩り」のような「強制連行」に基づく徴集形態や徴集過程に限定されるべきではなく、こうした「強制連行」の有無に左右されるものでもない。し