ランゴ [DVD] 『ランゴ』鑑賞。全然期待しないで観たのだが、とんでもなく面白かった。井口昇による『電人ザボーガー』が70年代のチープな特撮に25(35)年経ってもオトナになりきれない大きなお友達がオマージュを捧げた傑作なら、『ランゴ』は70年代マカロニ・ウエスタンにカメレオンの如く小器用な監督が真剣な愛を捧げた傑作だと思う。 つまり、ジャンルに愛を捧げるというのはこういうことなんだなと思う。血のように赤い夕焼け。茫漠とした砂漠。埃っぽい室内。染みだらけほつれだらけの服を着て、脂ぎった顔をした男たち。俳優(声優)のキャスティングといい、背景やセットや小物といった美術といい、エンリコ・モリコーネをたっぷりと意識したハンス・ジマーの音楽といい、全てが愛しく思える。 一番象徴的なのは、西部の魂がジョン・ウェインでもカーク・ダグラスでもバート・ランカスターでもなく、あの人だったことだろう。ランゴ