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2014年12月12日のブックマーク (1件)

  • 逢魔時の視聴覚室 - 鶴瓶と落語の夜の夢

    ある夏の夜のことだ。 部屋のテレビをつけっぱなしにした状態でパソコンに向かっていると、いきなり怒鳴り声が聞こえてきた。何事かと驚きながら、テレビの画面に目を向けると、そこには半裸で有名タレントたちに怒鳴り散らしている笑福亭鶴瓶の姿があった。少しばかり酒をひっかけているらしく、些か呂律が怪しい。数年前、テレビの生放送中に酔っ払った鶴瓶が下半身を露出してしまった事件は、今でも多くの芸人たちによって語り継がれている。思うに、この時の番組は、あの事件の再来を演出しようとしていたのだろう。 だが、その光景を目にして、私はまったく別のことを考えていた。酔っ払った鶴瓶の怒鳴り声に、彼の師匠である笑福亭松鶴の喉を感じたからだ。 六代目笑福亭松鶴。三代目桂米朝、三代目桂春團治、五代目桂文枝とともに上方落語の復興に貢献した“上方落語四天王”の一人である。酒好き、女好き、借金まみれという古き良き時代の芸人として