最近、「作品を批判するために、その作品を評価している人たちを糾弾する」テキストを、よく見かける。どうも、まだあまり有名ではない制作者自身を批判するのは可哀想だから、という理由が主らしい。気持ちは分からなくもない。実際問題、どんな作品であろうとも、それを評価する人が存在しなければ、単なるゴミだ。そのゴミ同然となるべき作品が世に出回っているということは、つまり世間の愚鈍な眼を持った連中が評価しているからなわけで、だから彼らを批判する……非常に筋は通っている。通っているとは思うけれど、個人的にはなんていうかこの手法、とっても嫌悪感を覚える。 というのも、この手法で作品を批判している人たちは、「あの作品が評価されているのは、評価している人間が間違っているからだ!」という時点で、まるで戦後の頑固オヤジの様に思考停止しているように感じられるからだ。何故、その作品が評価されているのか、その作品が多くの人