ローマでも有数の観光名所として知られる「トレヴィの泉」の老朽化が深刻な問題になっている。 『後ろ向きにコインを泉へ投げ入れると願いが叶う』という言い伝えから日々大量のコインが投げ込まれているが、老朽化の原因は、もちろん大量のコインではなく、去年から今年にかけての異例の寒さだという。 雪や氷が、建造物表面に出来ていたヒビの中に入り込み、より大きな亀裂を作ってしまったのだ。その結果、7センチ前後の塊が次々と剥げ落ちてきた。危険回避のため、現在トレヴィの泉の周囲にはロープが張り巡らされていて、近づけない状態になっている。 重要な観光名所であるこの泉は、1990年にも修理が行われていた。それに加えて、コロッセオが倒壊の危機にあるという報告もあり、ローマ当局は頭が痛い。 同じく人気の観光スポットを有するヴェニスでも観光税が導入される見通しとなっており、歴史的建造物に恵まれるイタリアの苦悩ぶりが窺える