【第35回】 【目次】 【第37回】 ある現象を理解するということは、何が変化して何が不変であるかを、理解することだと言える。 何も変化がないのであれば、そもそも考えるべきことが存在しないであろうし、何もかもが変化してしまうなら、やはり考えるべきことが存在しないであろう。 たとえば物理学であれば、変化しない保存量が何かがわかれば、その保存則を用いて現象を理解したり予測したりすることができる。 社会や歴史に関しても、もちろん物理学ほど単純にはいかないが、同じようなアプローチはできる。すでに第30回で一度その実例を見せた。時代とともに神話の内容が変わっても、変わらないものは人生と社会に意味を求める人間の心だった。 さて、私たちは、第15回から続けていた時間旅行で、3冊の本を教科書に3つの時代を見てきた。 キリスト教が全ての中世 科学が勃興した近代 いわゆるポストモダンの現代 そして今、この似た