2001年雇用対策法、及び職業能力開発促進法の改正により「キャリア・コンサルティング」制度が開始されてから今年で14年、働く者のキャリア形成のための基本的知識、スキルの教育、認定がまず民間試験機関によって行われ、ついで熟練レベル、指導者レベルに対する技能検定制度が構築され、働く人の能力開発、就職支援、キャリア教育の分野に広く普及している。また、キャリア・コンサルタントの国家資格化の動きも報じられている。本稿では「今後のキャリア・コンサルタントに求められるもの」について述べる。 1 これからのキャリア・コンサルタントは、個人の支援だけでなく「環境」を変える力を持たなければならない 多くのコンサルタントは、カウンセラー出身者が多く、そのためとかく個人の支援にとらわれる。キャリア・コンサルタントは、何が出来るかのまえになにをすべきか、役割を考えるべきである。キャリア・コンサルタントの役割を整理し