先日,水晶振動子や水晶発振器を扱うメーカーを取材する機会がありました。これら水晶デバイスは電波やクロック信号の基準周波数を生成する用途などで,多くのエレクトロニクス機器に使われています。そして日本企業が強みを持つ数少ない分野の一つでもあります。日本水晶デバイス工業会(QIAJ)の調査によると,2006年の世界の水晶デバイス生産金額に占める日本のシェアは64.4%。中でも携帯電話機などに利用する高精度の水晶発振器では日本メーカーの独壇場との声も聞きます。 こうした強さを支える要素の一つに,高品質な人工水晶の製造技術があります。半導体業界の常識からすると驚くべきことですが,多くの国内水晶デバイス・メーカーは人工水晶を自前で製造しています。オートクレーブと呼ぶ巨大な円筒状の装置を使い,高温高圧環境下で人工水晶を成長させます(関連記事)。オートクレーブには戦車の砲身を作る技術が応用されているそうで
携帯電話や時計など身近な製品に使用される水晶デバイスだが、関連企業の株価は軟調な展開が続いている。水晶デバイスの価格低迷などが嫌気されていることが要因だ。水晶デバイス関連企業への投資タイミングを探ってみたい。 日本水晶デバイス工業会が8月27日に発表した08年7月度受注実績統括表によると、7月度単月の受注総合計は、受注数量が前年同月比9.2%増の8億9810万個、受注金額が同7.4%減の229億3800万円となった。 今回の発表から、水晶デバイスの需要が鈍化傾向にあること、製品価格の低迷が続いていることが確認できた。水晶デバイス業界に投資するうえで、重要な2つのポイントである受注数量と受注金額の動向を追ってみたい。 ■水晶デバイスの受注数量は縮小傾向 受注数量の対前年同月比推移を見ると、07年8月の前年同月比37.1%増を頂点として、増加幅の縮小傾向が続いている。08年度に入ってか
ドイツWicht Technologie Consulting社(以下WTC社)は,MEMS発振器の世界市場規模が2012年に1億4000万米ドルに達するとの見通しを発表した(発表資料)。2007年の市場規模は250万米ドルだったが,今後年平均120%を上回る成長率で成長するという。多くの分野でMEMS発振器が水晶発振器に置き換わることが要因とする。 現在,MEMS発振器を製造している主要メーカーは,米SiTime Corp.と米Discera, Inc.,エプソントヨコムなどである。SiTime社とDiscera社は,Siを素材としたMEMS発振器を製造しており,エプソントヨコムは,同社が「QMEMS」と呼ぶ水晶を素材にしたMEMS発振器を製造している。 水晶素材のMEMS発振器は現在,携帯電話機やGPS機器向けの温度補償回路付き水晶発信器(TCXO)に置き換わり始めている。一方,Si素
当工業会は、水晶デバイス工業の健全な発展を図るために必要な事業を行い、豊かなる国民生活の向上に貢献することを目的としております。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く