究極のインサイダー MBOをめぐっては、経営者による「究極のインサイダー」と受け取られかねないマネーゲームも行われた。疑惑にさらされたのは、レックス・ホールディングス(東京都港区)のMBO。創業者は西山知義会長。六本木ヒルズ族として名を馳せた人物だ。95年、東京・三軒茶屋で小さな焼肉店を創業。焼肉チェーン「牛角」を核に、コンビニの「am/pm」、高級食品スーパー「成城石井」を買収して3本柱にした。 06年11月に投資ファンドのアドバンテッジ・パートナーズと組んで、レックス株のTOB(株式公開買い付け)を行い、1株23万円で株式を取得した。株式取得額は457億円。このMBOに反対する法人株主1社と個人株主120人が07年4月に、買い取り価格を公正に決定するよう求める訴訟を東京地裁に起こした。レックスは業績の大幅な下方修正を発表し株価は急落。その直後にMBOを実施した。その結果、1年の平均株価