「白い巨塔」や「大地の子」など社会派の長編小説で知られる作家の山崎豊子さんがことし9月、88歳で亡くなりました。 生前、テレビカメラの取材はほとんど受けてこなかった山崎さんですが、このほど初めて自宅の取材が許されました。 書斎などに残された資料からは、遺作となった小説の執筆に当たっても一切妥協しなかった、創作活動の一端が見えてきました。 重厚な作品を支えた徹底した取材と、創作活動の舞台裏を徳島放送局の清水大志記者が解説します。 膨大な資料から見えてきたもの 11月上旬、大阪・堺市にある山崎さんの書斎に初めてテレビカメラが入りました。 そこには、読者の心を揺さぶり続けた山崎さんの世界観を裏付ける、徹底した取材の膨大な記録が残されていました。 タブーとされていた医学界の権力闘争などを描いた「白い巨塔」の記録には、大学病院の反発に屈せず、国内外の医師たちから集めて歩いた証言や写真などがまと