最近、人工知能(AI)と人間の頂上決戦の形になった将棋の電王戦で、AIを使った将棋ソフトが、山崎隆之叡王を破ったニュースがありました。昨年まで5対5の団体戦だった電王戦ですが、今年から電王トーナメントで優勝した将棋ソフトと、叡王戦の優勝者が戦うことになったのです。そして、いよいよ次回の叡王戦には羽生善治前名人が参戦するとの発表もありました。羽生前名人が勝ち抜けば、来春には古来の棋譜を収集して「学習」したAIと「名人」脳の対決が実現することになり、大変興味をそそられます。 さて、羽生前名人と同年代でありながら、1998年に29歳の若さで亡くなった村山聖九段という棋士がいます。村山さんの紹介をスタートに、今回は、何が医学を前進させるかについて思いを巡らせたいと思います。