今年初め、韓国でかなり名前が知られた北東アジア専門家とワシントンで会った時のことだ。彼はインタビューの間、しきりに時計を見ており、約束の時間が来る前に「次に会わなければならない客人がいる」と了解を求めてきた。 準備していた質問を聞き終えることなく、持ち物をまとめて部屋から出ると、彼の事務室の外で待っている日本人の姿が目に留まった。記者の後方で秘書が米国に駐在するトヨタ自動車の中堅幹部だと紹介する声が聞こえた。日本政府だけでなく、民間企業も下支えする「日本式外交」の現場を目撃した瞬間だった。 普段は表面化しないが、必要なときには必ず発揮される米国内での日本の力を最近の北朝鮮核問題で実感することができた。 米朝交渉の進展ですぐにも実行されるかに見えた北朝鮮に対するテロ支援国指定解除が遅れた背景には、日本の外交力による役割もあった。27日から北京でヒル米国務次官補と北朝鮮の金桂寛(キム・ゲ