成瀬さんがJR東海に入社したのは1992年のこと。新幹線鉄道事業本部で新幹線車両の検査修繕計画策定、検査修繕作業などに携わり、1995年からは、同事業本部の車両部車両課に配属され、700系のパンタグラフの開発に携わった。 「開発のプロセスの中で、N700系を専門にというのではなく、700系の開発をやりながら、700系の後の研究も同時にしていました。99年の700系デビューの前後から、次世代の新幹線(後のN700系)の先頭形状などの開発を着手し始めました。ただ、その時点では、次の車両を作るのが決まっていたわけではなく『次の車両を作るのであれば』ということで研究を続けていたのです」(成瀬さん) そして、N700系のJR西日本との共同開発が決定した直後の2002年7月、成瀬さんは愛知県小牧にある総合技術本部技術開発部の研究施設に移り、先頭形状、全周ホロなど、N700系専門の開発に従事するようにな