あの有名な梅田望夫さんが、なんか日本語が亡びるとき―英語の世紀の中でとかいう本を祭り上げて全員読むべきと啓蒙したり、読みもしないでコメントするやつはバカだと嘲ってみたりと、巷はなにかと騒々しいわけであるが、当然私は読まない。読まないで適当なことを言う。 言語なんて、そもそもただのツールである。手段であって目的ではない。目的はコミュニケーションである。そういう意味で、言語も貨幣も一緒。コミュニケーションのインタフェース部分だ。そんなものにアイデンティティを感じたり、絶対化したがる人の神経がよくわからん。 確かに、言語に基づいた文化があることは知っている。文学とでも括ればよいのだろうか。しかしそれはそれ、これはこれ、である。本来の用途とはまた違う用途で取り上げられ、それが文化的な価値をおびるのはよくあることだ。CDの方が便利でもレコードの趣は廃れないし、写真のほうが正確であっても絵の情緒は失わ