「日銀にはいま、悲観的に見ざるをえないことが起きている」と、日銀の金融政策に詳しい加藤出・東短リサーチ社長・チーフエコノミストは言う。日銀が3月末に、異例の国債の無制限買い入れを行ったことと関係しているのだが、いったいどういうことなのか、加藤氏に詳しく聞いた。 ファンド筋に攻撃される ――日銀が「指し値オペ」(注)で長期金利の上昇を抑えようとしました。 ◆日銀は「イールドカーブ(利回り曲線)コントロール」政策を採っていて、長期金利を目標値にコントロールしようとしています。現在の10年国債の目標金利の上限は0.25%です。 米国の利上げで円安になりやすい状況があったところをファンド筋などが突いてきました。国債を空売りして長期金利を押し上げて日銀に「指し値オペ」を打たせ、円安になるともうかるポジションをあらかじめ取っておくことでもうけようとしました。 日銀は対抗して、3月28~31日に指し値オ