日本の小中学校では今、およそ12万3000人が不登校だという。東京都国分寺市や大分県別府市などの人口に匹敵する数字だ。これほどの数の子供たちが義務教育の「学校」に通っておらず、しかも1997年以降、10万人を下回ったことがない。中学校では36人に1人、つまりクラスに1人は不登校の生徒がいる計算だ。とうに不登校は珍しいことではなくなっている。教育の専門家は「このような国は世界に類例を見ない」と声を枯らす。何がどう歪んでいるのか。不登校の児童生徒が集う埼玉県のフリースクールを訪ねて考えた。(Yahoo!ニュース編集部) 東京・浅草から東武スカイツリーライン(伊勢崎線)に乗ると約40分で、埼玉県越谷市のせんげん台駅に着く。駅から徒歩数分の場所に、目指す雑居ビルはあった。1階は飲食店や衣料品店、3階には空手道場。フリースクール「りんごの木」はその2階だ。通勤通学のざわめきが消えた午前10時ごろから