路線バスが相次ぎ廃止、地方で急増する「交通難民」《特集・自治体荒廃》(1) - 09/03/04 | 12:20 「高齢者にはバスは欠かせない存在。それなのにここ数年は路線廃止で不便になるばかりだ」 鹿児島市中心部から車とフェリーで2時間、大隅半島の最南端に位置する南大隅町。農協の倉庫を改装したバスの待合所で、同町に住む山下一秀さん(81)はつぶやいた。 かつてこの地域には本州最南端の地として20台、30台もの観光バスが連なったという。しかし今は、高齢者がまばらに乗った路線バスが一日に数本通るのみだ。人口970人余り。多くの若者は、鹿児島市内などに仕事を求めて移り住む。 2006年に大隅半島で路線展開する唯一のバス事業者、いわさきコーポレーションが大隅半島の路線を一気に4割も削減。もともと一日数本のみの路線バスがさらに減少した。そのため、南大隅町は補助金を出し、コミュニティバスの運