スポーツ雑誌の仕事をさせてもらうようになった関係で、さまざまな障害者スポーツを直接目にする機会が多くなった。 印象的だったのは、車いすバスケットボールで前代未聞の全国8連覇を果たした宮城MAXの岩佐義明監督が「これはれっきとした一つのスポーツなんです」と、こちらの偏見的な先入観を見抜いた上で諭すように言った一言。その後障害者スポーツの連載を担当するようになってから、いつもその言葉を胸に競技や選手と向き合い、取材執筆するように心掛けている。 パラリンピックが始まる。オリンピックに比べて世の中の関心が薄れる(であろう)ことを、健常者と障害者の対比で語るのは本質を突いていない。単に私たちは、その一つ一つのスポーツを楽しむための知識と理解と経験が足りていないだけなのだ。 一方で私たちはある日突然、まともに観戦したこともなかったラグビーに熱狂するようになり、レスリングの手に汗握る攻防に夢中になり涙を