電車は架線から電気を取って、レールを通じて変電所まで電気を戻している。乾電池につないだ豆電球に例えればプラス側の銅線が架線、マイナス側の銅線がレールである。 架線に触れると感電して死亡の危険があるが、レールに触っても感電しない。レールには電流が流れているにもかかわらずである。 簡単に、その理由をいえば、レールの電位が、我々の電位とあまり変わらないからとされている。ただし、レールが地面にアースされているからという説明は厳密には正確ではない。アースされた状態だと、レールから地面への漏れ電流があると言うことになり、電食(電気による腐食)を起こして付近に埋設された金属製のガス管、水道管、下水管に悪影響を与えるし、通信に誘導障害を及ぼす。 ■ レールの電位はどれくらいなのか 前から気になっていたので、計算してみた。 架線は電気をよく通す銅でできているが、レールは鉄だ。鉄は銅の11~13倍の電気抵抗を
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