韓国サムスン電子は、3月中に経営再建中のシャープ株約3%を取得し、第5位の大株主に躍り出る。シャープから液晶パネルを安定的に調達するのがサムスンの目的といわれるが、本当にそれだけなのか。“傲慢(ごうまん)”の2文字が似合う企業といわれ、韓国国内でも反感を買うサムスン。資金不足から、わらをもすがる思いで宿敵との提携に踏み切ったシャープだが、状況次第では今回の決断がマイナスに働く局面があるかもしれない。 ■日本とは相いれない韓国財閥の気質 他社から優秀な技術者を高額で引き抜き、技術を吸い上げれば、すぐに解雇する-。ライバルをつぶすためには、赤字でも常識外の安値で商品を売り続ける-。 日本の製造業は、独自の倫理観からこうした行為をほとんど行わない。これに対し、韓国のサムスン電子はこれらを徹底的に実践することで、家電分野で世界の頂点にのぼり詰めた。シャープは、そんな日本の企業風土とは決して相い