神奈川県立の知的障害者施設で、県が職員にアンケートを実施したところ、約40件もの虐待疑いの情報が寄せられた。この施設では、入所者の一部をほぼ終日、外側から施錠した部屋に閉じ込めていたことが昨年、判明。入所者が不自然なけがをするという問題も指摘されていた。職員アンケートの回答には耳を疑うような内容も含まれている。一体、施設内で何が起きていたのか。(共同通信=市川亨) ▽虐待を隠蔽した疑いも浮上 問題の施設は、神奈川県中井町にある県立「中井やまゆり園」。誤解がないように付け加えると、2016年に入所者ら45人が殺傷された相模原市の「津久井やまゆり園」とは異なる。津久井園も県立だが、社会福祉法人の運営。中井園は県が直営する。つまり、働いているのは県職員だ。 中井園では、重い知的障害や自閉症で強度の行動障害がある入所者の一部を1日20時間以上、個室に閉じ込める対応が常態化していることが昨年、複数の