第84回 コムスン不祥事から学ぶ経営者のリスク管理 経営コンサルタント 大前 研一氏 2007年7月4日 訪問介護最大手・コムスンの介護報酬不正請求事件の報道が、連日続いている。矢面に立っているのは、コムスンの親会社であるグッドウィル・グループの折口雅博会長だ。 コムスンは業務改善命令が出た後も不祥事が発覚し、厚生労働省(厚労省)から事業所の新規認定・更新を認めない処分を受けた。これはすなわち、コムスンはもう介護事業を継続できないということである。そこで、同グループ傘下の別の会社に業務を移譲する計画を発表したのだが、厚労省から「国民の理解を得られない」として認められなかった。以下がこれまでの大まかな経緯をまとめたものだ。 しかし、グループ内の別会社への業務移譲を発表した時点では、厚労省もこの計画を認めていたのではないか、とわたしは見ている。恐らく多くの人もマスコミの報道からそう思った