日本の1世帯あたりのパンに対する支出額が4年連続でコメを上回っているという国の統計がある。コメの支出はかつてパンの3倍以上あったが、平成23年に逆転。24、25年は再びコメがパンを上回ったものの、その後の4年はパンの方が多くなっている。コメは長く日本人に愛されてきた主食だが、今やパンの方を好むようになったのだろうか。取材を進めると、現代の日本の家庭ではパンや家で炊いたご飯だけでなく、市販のおにぎりや弁当、インスタントラーメン、パスタなど多様な選択肢から「主食」を選んでいることがわかってきた。(張英壽) 右肩下がりのコメ支出額、年々差が縮まる 総務省が実施している家計調査では、食料品や衣料、電気製品などさまざまな項目の年間支出額を算出している。昭和60年では、1世帯あたり(2人以上、農林漁業世帯を除く)で、コメが7万5302円に対して、パンは2万3499円と3倍以上の差があった。 だが、その