第三回 ケイティ いまはもうあまり気にせず書いているけれど、政治について意見を述べるのが私はずっと怖かった。 私には私なりに思うことがあれこれあったけれど、それらを長らく隠していた。 なぜなら、政治について、もの言う女の子は不幸になると教わったから。 みんなに笑われて、バカにされて、恋人にも棄てられる。 どんなに真摯に考えたことであっても、正しさを求めて行動したことであっても、男の人はそういう女の子を選ばない。 彼の隣りで微笑むのは、理屈をこねない女の子、セミロングの髪の毛先をくるんと巻いた女の子――そう教わった。 それは母の訓えでも、父の訓えでもない。 私の両親は全く逆、政治的な意見を口にするひとたちだった。 “女の子だから”“男の子だから”などと考える必要はないと言われて、私は育った。 ならば、政治について発言する女の子は不幸になると教えたのは、誰だったのか。 それは、バーブラ・ストラ