安倍晋三首相は12日に行った施政方針演説で、自らの経済政策「アベノミクス」を批判して富の再分配を訴えるパリ経済学校のトマ・ピケティ教授を意識して、再分配より機会の平等を重視する社会づくりを前面に出して訴えた。 (後藤孝好) ピケティ氏は、格差問題を掘り下げた著書「21世紀の資本」で注目される。一月末の本紙インタビューでは、大企業や富裕層を潤わせて中小企業や低所得者に波及させるアベノミクスの考え方に関し「実現した例は過去にない」と批判。富裕層への資産課税を強化し、資産を持たない若い世代への再分配を通じ、格差を是正するよう提唱した。