「(前作の)『崖の上のポニョ』をやっている時には僕の方が先に行っているつもりだったのに、時代の方が追いついてきた。(今回の映画で描いた)関東大震災のシーンの絵コンテを書き上げた翌日に震災(東日本大震災)が起き、追いつかれたと実感した」」 (日本経済新聞「宮崎駿 時代が僕に追いついた 「風立ちぬ」公開」2013/7/27 より) 宮崎駿は、幼い頃から現実と妄想の区別がつかないという特殊な才能を持つ、生粋の直感型クリエイター(オタクとも言う)である。 おそらくは毎晩のように、夢の中で「日本アニメの神様」手塚治虫と勝手に出会って、脳内手塚治虫にあれこれ励まされていたのであろう。手塚治虫の夢の世界と自分の夢の世界がリンクしている、と彼は信じていたのだと思う。 たとえ未曾有の大震災に巻き込まれても、慌てず騒がず「空に飛行機が飛んでいるゾ〜」とグリプス戦役末期のカミーユみたいなことを言いだしかねないの