ジャーナリストか犯罪者か──彼が起訴されば、メディアは彼を弁護すべきか否かを必死で考えなければならなくなる 内部告発サイトのウィキリークスが米国務省の内部文書を暴露した今回の騒動で、最も興味をそそられた点の1つ――それは創設者ジュリアン・アサンジその人だ。 ミステリアスで大胆不敵。時にはウィキリークスの「顔」を演じる俳優ではないかと思えてくるほどだ。外見は痩せ細ったドイツ騎士団のようで、根っからの目立ちたがり(イギリスで逮捕される前、彼を捕まえたければカメラマンのふりをすればいいというジョークも囁かれた)。映画『ダイ・ハード』や007シリーズの悪役にぴったりだ。 しかし一方で、アサンジを権力者に真実を突きつけるヒーローと考える人も大勢いる。彼は社会派の活動家なのか。政府の透明性向上の提唱者なのか。彼自身の数多くの執筆物から伝わってくる知識人気取りを考えると、もっと大きな願望がありそうだ。