抽象的な記号を扱うときに大切なのは、それについての何か具体的なイメージを持っていることだ。 例えば集合のイメージなら丸い輪のなかに色とりどりのおはじきが入っているところを想像するし、関数のイメージは、二つの集合の要素のおはじきを糸で結んだ物が、おはじきの数だけあるところをイメージすると分かりやすい。 このイメージモデルを使えば、写像 f : A -> B が全射なら、集合Bのどのおはじきをつまみあげても、その端に集合Aのおはじきが付いてくるし、単射なら、集合Aのおはじきを二つ引っ張ると、必ずBの違うおはじきが引っ張られる。 全単射なら、集合Bのどのおはじきにも集合Aのおはじきはつながれており、集合Bの違うおはじきに対しては集合Aの同じおはじきが付いてくることはない。もしそうでなければ、集合Bの二つのおはじきにひとつの集合Aのおはじきがつながっていることになり、写像の条件を満たさないし、集合