性能トラブルを避けるために、開発工程全体で性能について留意することは確かに重要だ。限られた時間のなかで、具体的に何ができるのか---。日経SYSTEMS 2010年11月号で「応答3秒の作り方」という特集を企画したときに、まずこんな疑問がわいた。 システムの設計や実装の工程では、「機能要件をいかに実現するか」が最優先される。その過程で処理性能の目標値を達成するための作業、いわゆる「性能の作り込み」にはそれほど大きなコストはかけられない。これが多くのプロジェクトでの現実だろう。 通常の設計や実装を進める際に、多くの手間をかけることなく、性能トラブルの原因を回避できるのか。そうした視点で取材で進めたところ、まず出てきたのが「画面からデータベース(DB)処理を想像する」という方法である。 画面から応答時間が見えてくる 「画面設計の際に、裏側でどんなDB処理を実行するかを想像してみる。すると、応答