菅首相は、中部電力に対して、同社の浜岡原子力発電所の運転を停止することを「要請」した。これは、法律的な手続きに基づく「命令」ではない。要請を受けた段階で、運転を中止するか否かの決定は、第一義的には中部電力に委ねられた。中部電力は、随分やっかいな問題を、しかも突然に、抱え込んだといっていいだろう。 世論を考えると、首相の要請を拒否することは難しい。しかし、この数字を前提として考えていいかどうかは留保が必要だとしても、浜岡原発の運転を停止し、これを火力発電で代替すると年間2500億円程度の追加コストが生じると報道されており、これは、年間2000億円程度の営業利益(平成20年度が連結でほぼこの水準)の中部電力にとって、突然赤字に転落しかねないインパクトを持っている。 こうした状況で、もしも、あなたが中部電力だったら、もう少し正確に、中部電力の経営責任者であったら、どうするだろうか? 菅首相の発言